平成25年度 支部総会・父母懇談会(東京都支部・大分県支部)

《1.東京都支部編》

 梅雨まっただ中にもかかわらず、見事に晴れ上がった6月22日(土)、東京都支部の支部総会・父母懇談会が東京ドームシティ「プリズムホール」で開催されました。今年の会場はホテルではなくイベントスペースになり、少々雰囲気は変わったものの、例年とほぼ同じ約300組370名余りが参加され、お子さまのことを熱心に先生方に相談されていました。また、今回は中根滋理事長との個別面談ブースも設けられ、充実の父母懇談会となりました。

〈支部総会〉
◆会員数が最も多い東京都支部では
 今年度も2つのオリジナル企画が実施予定

 北澤茂登德支部長(平成24年度)は、「東京都支部は3,700名余りの会員がいて、支部総会の参加率は約9%」と出席者数に触れ、より多くの方に参加していただけるよう支部活動に取り組んでいると挨拶されました。続いて、こうよう会本部から出席の矢島尊会長が、こうよう会の目的や活動を紹介されました。
その後、議案の審議に入り、平成24年度事業報告・収支決算報告が行われました。東京都支部では、神楽坂キャンパスでの「就職・進学懇談会」と、会員同士の懇親を深めるための「東京湾ランチクルーズ」といった支部行事を実施しましたが、両議案とも拍手で承認されました。次に平成25 年度支部役員案、最後に平成25 年度事業計画案・予算案が承認されました。

〈学長挨拶〉
◆実力主義を貫くことで、社会で高く
 評価されている東京理科大学の卒業生

 父母懇談会には、中根滋理事長、藤嶋昭学長をはじめ理事・教員29名、職員26名が出席。理事・教員の紹介に続いて、大学側出席者を代表して藤嶋学長が挨拶されました。
 「学長に就任して約4年になりますが、東京理科大学は本当にすばらしい大学だと毎日思っています」と話されました。「実際に授業を見て回ると、学生は前列から席を埋めていき、熱心に授業を聴いています。これは他の大学とは違う大きな特徴」というお話でした。
 続いて、創立以来132年間、実力主義を謳っており、その伝統は現在もしっかり守られていること。その結果、社会から高い評価と信頼を得ており、就職率も非常に良いことに言及。さらに、学校教師になる卒業生も多く、現在、全国で本学出身の高校の校長は約100名を数え、今後は数学、理科の学校教師の養成にいっそう力を入れていきたいと決意を述べられました。
 最後に、今春、他大学が志願者を減らす中で、東京理科大学は最近10年間で最高の入学志願者数を記録するほど信頼される大学であり、「ご父母の皆さまにとって、安心してお子さまをお任せいただける大学です」との心強い言葉がありました。

〈理科大の将来展望等について〉
◆世界の東京理科大学となるため、
 国際競争力の強化をめざす

 2012年12月に、学校法人東京理科大学の7代目理事長に就任された中根滋理事長が登壇。「私は理工学部を42年前に卒業しましたが、その1971年当時の卒業生総数は約3万人でした。現在は18万人を数える理工系の大学で一番大きな大学」と話され、次は世界一をめざすと、これからの目標を掲げられました。
 中根理事長が今後、最も重視するのは世界競争力です。昨今、頻繁に国際化が言われていますが、本学の国際化とは教育と研究の国際競争力で、卒業生が社会に巣立っていく際の国際競争力を伸ばしていく考えだと説明されました。そして、そのポイントとして、欧米の大学をリードしていくような教育の品質管理・教授法の確立、世界トップレベルの研究、女性の活躍支援、産学公連携の推進の4点をあげられました。

〈就職状況&学生生活について〉
◆企業、公務員、教員、大学院進学の
 それぞれの現況を概説

 厳しいと言われる就職状況。過去には1996年と2000年に就職氷河期があり、2011年もそれに匹敵すると言われ、ここ数年は横ばい傾向が続いています。平成25年度も求人倍率はほとんど昨年度と変わりません。就職状況については、このような就職環境の現状を概説した後、企業、公務員、教員、大学院進学という主な進路についての状況説明が行われました。また、親として就職活動を行う学生をどうサポートしていけば良いか、交通費等の費用面の援助を含め、5点挙げられました。

〈分科会〉
◆成績表を手に、それぞれの学部の教員と
 1対1でじっくりと面談

 学部ごとの修学履修懇談会、就職懇談会、学生生活懇談会に分けて分科会を実施。いずれも個別面談方式がとられ、修学履修懇談会では、受付で配付された昨年度の成績表を見ながら、成績や履修単位、進路について先生方から説明を受けていました。

◆1年次の成績が大学4年間の
 成績と相関関係にあることを説明

 新入生のご父母を対象に、山本誠先生(工学部第一部機械工学科教授、教育開発センター長)による説明会が行われました。
 現在、大学設置基準によって教員が教育内容や方法を評価・点検し、より良い教育を行うFD(ファカルティ・ディベロップメント)が義務化されています。本学では2007年に教育開発センターを設立し、さまざまなFD活動を行ってきましたが、そのひとつにGPAを用いた学力追跡調査があります。山本先生は、具体的なデータを示しながら、1年次の成績が4年間の成績と強い相関関係があることを説明。「もちろん、1年次の成績がふるわなくても、あきらめずに勉強すればトップに行ける例も皆無ではないので、1年生の勉強を頑張らせるとともに、決してあきらめないことが必要です」と強調されました。

〈理事長との個別面談〉
◆大学への思いや要望を
 直接、理事長に伝える貴重な機会

 今年度、理事長との個別面談のブースが設けられました。これは中根理事長からの申し出によって実現したものです。面談されたご父母からは、「東京理科大学は高い実力に比べるとブランド面が弱く、社会の認知度や評価に物足りなさを感じる」との声が寄せられました。これに対して、理事長からは「今後、マーケティングやブランディングに力を入れていきたい」とのお話がありました。このほか、理事長が経営学部などで行っている特別講義を、他の学科でも開講してほしいとの要望も伝えられました。
 面談されたご父母は、大学に対する思いや応援の気持ちを直接、理事長に伝える機会を得られ、うれしかったと話していました。


《2.大分県支部編》

 大分県支部の支部総会・父母懇談会は、7月27日(土)、大分アリストンホテルで開催されました。激しい雷雨に見舞われた前日とは打って変わり、太陽が照りつける熱い一日、22組28名のご父母が出席。支部総会も父母懇談会も、人数の少ない支部だからこそのアットホームな雰囲気で進み、参加者は遠く離れて暮らすお子さまについて教職員に話を聞くとともに、ご父母同士でもいろいろと情報交換されていました。

〈支部総会〉
◆事業報告、事業計画、新役員案
 議案すべてを拍手で承認

 支部総会は挾間光則支部長の挨拶から始まり、続いて、こうよう会本部を代表して出席の黒木智文副会長(九州・沖縄地区)が挨拶。設立10年を迎え、来年には記念式典も計画されているこうよう会の趣旨と活動内容をあらためて紹介されました。
 その後、平成24年度事業報告及び決算報告、監査報告、平成25年度役員選任、平成25年度事業計画及び収支予算(案)の4つの審議が行われました。大分県支部では昨年度、別府市で宮村一夫先生(理学部第一部化学科教授)による「懇親会・講演会」を開催し、25名が参加したことが報告されました。今年度は支部行事の開催が計画(10月)されており、あらためて案内が送付される旨、支部長が説明。新役員の選出も含め、すべての議案が出席者全員の拍手で承認されました。
 支部総会終了後には、黒木副会長から挾間支部長に支部長の委嘱状が渡されました。

〈副学長挨拶〉
◆建学の精神に基づき、
 伝統の実力主義の教育堅持を約束

 父母懇談会では、まず前年に引き続いて支部長就任となった挾間支部長が「大分県支部は55名の学生がいて、本日は半数ほどの会員が参加。先生方のお話を聞けるのを楽しみにしています」と挨拶されました。
 続いて、大学側を代表して福山秀敏副学長(研究担当)が登壇。東日本大震災での被災学生に対する寄付への謝辞、本学誕生の経緯と建学の精神から話を始められました。
 「将来、どの段階においても、必ず自分の力が一番重要になります。そこで、本学では建学の精神と教育研究理念に基づき、視野が広くなる教養教育と基礎から先端までつながる専門教育を基軸に教育を進め、学部ではまず実力をつけることを重視。加えて、正しい倫理観と豊かな人間性、さらには国際的な視点で活動できる人材の育成をめざしています」。
 そして、「お子さまのことがいろいろ気にかかると思いますので、この父母懇談会で十分に意見交換してください」と締めくくられました。

〈理科大の将来展望等について〉
◆葛飾キャンパスの解説など
 大学の現況をDVD で簡潔に紹介

 学校法人東京理科大学を代表して、塚本桓世会長(前理事長)が登壇されました。「昨年まで10年ほど理事長を務めてきましたが、理事長に就任してすぐに行ったことのひとつが、学生の父母の会、すなわちこうよう会の創設です」と話され、都道府県ごとに支部が設けられ、毎年、父母懇談会が開催され、理窓会との連携も行われていると、こうよう会発展の歴史を簡単に紹介されました。そして「この4月に葛飾キャンパスが開設され、これからは日本の理科大から世界の理科大をめざす」とし、約10分間にまとめられたDVDを使って大学の現況と将来展望を説明されました。

〈就職状況&学生生活について〉
◆具体的なデータとともに進路状況を概説
 親としての心構えにも言及

 少しずつ景気が回復の兆しを見せていますが、かつてのような好景気はしばらく期待できないのが現状です。ご父母の関心が最も高い就職状況について、大学院進学を含め、進路に重点を置いて説明が行われました。
 求人倍率の推移、学部ごとの進路の比率、就職決定率など、説明は豊富なデータを示しながら進められました。また、就職活動の進め方や時期は、ご父母の学生時代とは大きく様変わりしており、大学での支援行事と企業側の採用日程などの様子を撮影した写真などもまじえて具体的に紹介されました。
 学生生活については、進級率、課外活動の加入状況、傷害補償制度、奨学金制度、葛飾国際学生寮などに言及。最後に、気になることがあれば、学生よろず相談室を利用してほしいとの案内がありました。

〈分科会〉
◆気になることはどんなことでも
 教職員にじっくり相談できる個別面談

 分科会の準備が整うまでの間、参加者は別室に移動。アイスコーヒーを飲みながら、しばしの歓談となりました。また、分科会が始まってからも、面談の順番を待つ間、ご父母同士で情報交換されている姿があちらこちらで見受けられました。
 受付の際、2年生以上の学生のご父母には、前年度の成績表が配付されます。学部別の修学履修懇談会では、ほとんどのご父母が教員にその成績表を見せて説明を受け、単位の取得状況や大学院進学について相談されていました。先生方との個別面談を終えた後、学生生活や就職について気になることがある場合は、就職懇談会や学生生活懇談会で職員と面談。相談に時間制限は設けられておらず、出席人数もそれほど多くないことから、参加された皆さまは時間を気にせず、ゆっくりと話をされていました。

◆1年生のご父母を対象に、新入生だからこそ
 知っておきたいことを説明

 個別面談とは別に、1年生のご父母を対象にした説明会も行われました。学力追跡調査を行うと、入学試験の成績と大学卒業時の成績には関係がありません。ところが、1年次終了時点の成績と卒業時の成績を比べると、1年次の成績がいい学生は卒業時も成績がいいという結果が出ています。これはどの学科についても言えることで、1年生の時からしっかりと勉強することがいかに大切かを、パソコンでデータを示しながら説明されていました。

〈懇親会〉
◆和やかな雰囲気で、教職員とご父母、
 またはご父母同士が親睦を深める

 立食パーティー形式で行われた懇親会が始まる頃には、参加者の緊張もすっかり解け、砕けた雰囲気に。乾杯の挨拶では、福山副学長が、以前から「大分」という地名の由来に興味があり、分科会の間に駅前の観光案内所に行って謎が解けたという話を披露されました。その後の歓談タイムは、料理や飲み物を手に、思い思いに会話を楽しまれていました。