平成22年度 父母懇談会
1.茨城県支部編
茨城県支部の父母懇談会は、6月12日(土)、「つくば国際会議場」で開催されました。前年を上回る約130名のご父母が出席され、熱心に情報収集して不安を解消されるとともに、先生方と交流を深められました。
〈副学長挨拶〉
◆学生たちの将来の可能性を広げるため
父母と大学側との十分な意見交換が重要
大学側出席者を代表して、副学長の福山秀敏先生(研究および国際化担当)が挨拶されました。「大学時代は自分自身の将来を模索する時期で、卒業時には重要な進路選択を迫られます。ご父母の皆さんにとってはいろいろ気になることがあると思いますが、昨今の不況を受け、大学では例年以上にサポートを強化しています」との話があり、「各学部から教員もたくさん参加しています。この機会に十分に意見交換していただいてお互いの理解が深まることを祈念します」と結ばれました。
〈学生生活および就職状況について〉
◆スケジュールや選考方法も含め、
就職状況に重点を置いて説明
就職状況の説明では、ご父母の時代とは違う点を理解していただくため、各種データを示しながら、就職活動のスケジュール、エントリーシート、ウェブ上でのテスト、グループディスカッションやグループワークといった試験内容も解説されました。企業、公務員、教員、進学のいずれの道を選ぶにしても、父母としては、まずは"そっと見守ってあげること"と"親の価値観を押しつけないこと"が大切との助言がありました。また、学生生活については、先頃、ソフトボール部が関東学生選手権で準優勝し、全国大会の出場権を獲得したことが報告されました。
〈東京理科大学の将来展望について〉
◆財務面は非常に安定、
質の高い教育研究の環境の整備に努力
本学の卒業生であり、学生時代はクラブ活動に励まれたという幡野 純理事が、大学を取り巻く状況について話されました。現在、私立大学の半数が定員割れしている中、本学は今春の入試で5万人の受験生を集め、教育研究の質を保証する上で重要な財務面も安定しており、格付け会社からは「AA-」の評価(7年連続)を得ています。また、企業等との受託研究や共同研究は、金額にして5年間で約2倍になっていることなどが報告され、最後に葛飾キャンパスのイメージ映像が上映されました。
〈分科会〉
◆学部別懇談会では、成績表を見ながら
気になる点を個別に相談
個別相談の順番を待つ間、ご父母は会場内で配布資料に目を通されたり、ロビー等で他のご父母と歓談されたりしていました。
◆多くのご父母が、学部別懇談会と
就職懇談会の両方に参加
1年次のご父母対象の懇談会では、受付時に成績表ではなく履修登録状況が配布され、履修登録や単位のことを中心に基本的な就学説明がありました。
就職懇談会と学生生活懇談会では、就職活動や学生生活で気がかりなことなど、具体的な相談に応じていました。懇談会は出入り自由で、進路決定を目前に控えた3年次のご父母ら、多くの方が学部別の懇談会と就職懇談会の両方に参加されていました。
2.福岡県支部編
暑い日ざしが降り注ぐ7月31日(土)、福岡県支部の父母懇談会が九州最大の繁華街「天神」にある「福岡ガーデンパレス」で開催され、支部としてはこれまでで最も多い100名余りのご父母が出席されました。
〈学長挨拶〉
◆よき伝統と実績を土台に、
国際的競争力を持った大学をめざす
全体会では最初に、今年1月1日に学長に就任された藤嶋 昭先生が挨拶されました。「本学は明治14年に東大出身の21名の若き理学士が創設した物理学校に始まり、現在まで延べ18万人の卒業生が全国各地で活躍しています」。藤嶋学長は、実力主義の伝統と実績のある素晴らしい大学であるとの思いを日々、強くされていて、このよき伝統はいまの在学生にも息づいているのを感じるそうです。「8学部すべて、新入生の最初の講義をさせていただきました。私が専門とする光触媒について講義を行ったのですが、一番驚いたのは、1,200名の理工学部の学生を対象にした講義で10名以上が質問したことです。あれだけ満員のところで質問をする姿に、学生たちの積極性を感じました」とのことで、その姿勢に応えて、さらによい大学にするべく尽力したいと話されました。
さらに、「本学で一番有名な学問領域は火災科学です。今後は、他にも特徴的な分野を発展させ、国際的に活発な大学にしたいというのが私の夢であり、徐々に実現していきたいと思います」と決意を述べられました。
〈学生生活および就職状況について〉
◆厳選採用を行う企業側が重視する項目、
求める人材を具体的に紹介
昨今の厳しい経済状況から、ご父母の一番の関心事は就職であり、全体会では就職状況や就職活動の説明に多くの時間が割かれました。まず、今春の卒業生のデータをもとに就職状況を紹介。続いて、採用する側の企業と採用される側の学生の視点の違いが指摘されました。企業側は「人柄」「熱意」などを重視することや、コミュニケーション能力、問題解決能力のある人材、協調性、主体性、チャレンジ精神のある人材が求められているとの話に、出席者は熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
〈東京理科大学の将来展望について〉
◆全入時代に生き残る大学づくりのための
教育研究の成果や環境整備の状況を報告
全体会の最後は、理事の幡野 純先生が大学の将来展望について話をされました。いまや大学は全入時代を迎えており、本学では安定した財政状況の下、特徴を生かした大学づくりを行う努力をしています。その一例として、さまざまな教育プログラムを掲げ、それがいろいろな研究拠点やプロジェクトの採択などの形で成果を上げていることが紹介されました。また、環境整備では、神楽坂キャンパスは既存の建物の耐震補強と内外装を行い、再構築をほぼ完了。新たに用地が取得された葛飾は公園の中に大学がある学園パーク型キャンパスになる予定で、設計会社が製作した基本設計の動画が紹介されました。
〈分科会〉
◆基礎工学部の分科会では
質疑応答の時間も設けられた
就職懇談会では、3年生のご父母らが就職活動について真剣に相談されていました。
◆個人面談の合間にホッと一息入れる
談話コーナーを設置
福岡県支部では今回はじめて、分科会の会場があるロビーに談話コーナーを設置しました。他の方の面談が行われている会場は、どうしても気詰まりになりがち。そこで、順番を待つご父母たちが気軽に情報交換できるようにと、支部役員のアイディアで設置したものです。ロビーは美しい庭も見えることから、個人面談の前後、ご父母が代わる代わる分科会の会場から出てきて一息入れ、静かに談笑されていました。