平成24年度 父母懇談会

《1.栃木県支部編》

 関東地方北部に位置する栃木県。6月24日(日)、その県庁所在地である宇都宮市のホテルニューイタヤで栃木県支部の支部総会・父母懇談会が開催されました。梅雨入りして約2 週間、この日は梅雨の中休みといった感じで天候に恵まれ、多くのご父母が参加。大学の状況や子どもの様子など、熱心に教職員から情報を収集されるとともに、同じ大学に子どもを通わせるご父母同士、交流を深めていらっしゃいました。




〈学部長挨拶〉
◆しっかりと実力をつけた上で
 社会に送り出すのが理科大であると強調

 工学部第一部学部長の半谷精一郎先生は大学側の代表として、まず、東日本大震災被災学生に対するこうよう会からの支援に謝辞を述べられました。その後、本学は入学さえすれば学生を"ところてん方式" に社会に送り出すわけではない実力主義を貫くことで、社会からも高い評価を得ていると強調。ご自身も「子どもを持つ親として、就職や進学のことで気をもまれているご父母の気持ちは理解できる」と話され、「この機会を利用いただいて、先生方と直接、いろいろ話をしてほしい」と希望されました。そして、「長い一日になりますが、懇親会では、分科会までとは違った打ち解けた話題でも語り合えることを楽しみにしている」と結ばれました。

〈理科大の将来展望等について〉
◆さらなる教育・研究環境の拡充と
 国際化の推進をめざす

 学校法人を代表して村田雄司常務理事が、大学の現状と将来について話されました。今春の入試結果から始まった現状説明では、教育・研究体制の改善が図られており、その結果として毎年、多くの研究が国の研究補助事業に採択されていることが報告されました。その一例が藤嶋昭学長が専門とされる光触媒の研究センターで、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業に採択されています。さらに、学長が特に力を入れている国際化の推進の現状と課題、キャンパスの再構築事業の状況、そして来春開設される葛飾キャンパスの説明があり、最後に財務状況を概説。「今後、日本だけでなく世界に冠たる大学になっていくように努力する」と約束されました。

〈就職状況&学園生活について〉
◆データを示しながら企業、
 公務員、教員、大学院進学について説明

 卒業後の進路は、2012年春の学部卒業生と修士課程修了者の進路決定率、就職率を全国平均の数字と比較するなど、詳細にデータを示しながら紹介。本学は修士課程、昼間学部とも全国平均を20%以上も上回る就職率を記録しています。さらに、2011年度はリーマンショック後の下降傾向を脱し、若干回復したとのことです。進路については、公務員、教員についても合格者数や選考スケジュール、大学の支援体制を紹介。また毎年、学部生の半数近くが進む大学院進学についても説明があり、最後に奨学金制度や学生よろず相談室等の案内で締め括られました。

〈分科会〉
◆成績表をもとに、具体的な
 アドバイスをいただける個別面談

 全体会のあと、10分間の休憩をはさんで始まった分科会。2年生から4年生のご父母は、受付で渡されたお子さまの学業成績を手に、それぞれの学部の修学履修懇談会会場に移動され、個別面談に臨まれました。また、就職はご父母の一大関心事です。多くの方が教員との面談後に就職懇談会の会場に移られ、職員から個別に情報やアドバイスを受けていらっしゃいました。

◆1年生のご父母を対象に
 基本的な修学履修情報を提供

 一方、1年生のご父母については、そのまま全体会の会場に残り、カリキュラムや履修登録、単位、成績など、修学に関する基本事項の説明を受けました。本学は「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」を教育理念とし、理工系の専門知識だけにとどまらず、広い視野で人類の未来を考えられる科学技術者の育成をめざしています。その土台となる基礎学力を作る1年次の基礎教育が重視されており、東京物理学校時代から伝統の関門制度があります。しかし、きちんと授業に出席して予習・復習していれば、単位取得は難しくないとの説明に、ご父母は安心されていました。

◆懇親会個別面談を終えたご父母が
 おしゃべりできる場を用意

 今年度から全支部で待合コーナーを設置しました。栃木県支部では、個別面談を終えて懇親会までの時間、全体会や分科会の会場で知り合ったご父母同士が、なごやかにお子さまに関する情報交換をしたり、地元の話をされたりしていました。また、携帯番号を交換される姿も見られました。

〈懇親会〉
◆学部長の笑いを誘う乾杯の挨拶で
 一気になごやかな雰囲気に!

 懇親会には約40名が参加。半谷学部長が登壇し、「授業の前と同じで、ガヤガヤしていても、待っていると静かになります」とユーモアを交えた挨拶で乾杯の音頭をとられました。雰囲気は一段と砕けたものになり、あちらこちらで教職員とご父母が輪になり、分科会では言えなかった話、聞けなかった話で盛り上がっていました。


《2.石川県支部編》

 7月22日(日)、金沢駅前の金沢都ホテルで石川県支部の支部総会・父母懇談会が開催されました。最高気温は30度をわずかに下回り、比較的涼しい一日となったこの日、大学のことや子どもの学生生活を知りたいと、県内各地からご父母が参集。大学側から出席された理事・副学長を含む教職員と熱心に情報交換されていました。




〈副学長挨拶〉
◆教育理念を実現し、グローバル化に対応すべく
 教職員一同がより一層努力していくことを約束

 全体会は、まず最初に受付で配付された『太陽エネルギーがひらく未来』(坊っちゃん科学シリーズ)を含む資料の確認が行われ、大学側から出席の先生方が紹介されました。
 続いて、大学側を代表して武田健副学長(広報担当、薬学部薬学科教授)が登壇。「加賀百万石ということで、この町に来ると豊かな気分になります」と述べられた後、昨年に続いての東日本大震災被災学生支援の寄付に対する謝意を表されました。
 武田先生は「本学は8学部33学科11研究科からなる理工系総合大学で、実力主義という伝統を堅持し、幅広い教養教育と基礎から最先端までの専門教育を行うことを目標に教職員一同、力を合わせて努力しています」と、社会の発展の貢献する人材の育成と研究活動に注力していることを言明。「一方、学外に目を向けると、アメリカの指導力低下、中国・インドの台頭と、世界は大きく変化してきています」と、教育・研究両面で国際化をより一層進めていかなければならないと述べられました。そして、最後に「1年生はだいぶ学生生活に慣れてきた頃で、2年生以上は大学生活を謳歌していると思われますが、学年が進むにつれ、進路や研究室の配属など、悩み事も増えてくる」とした上で、大学とご父母の間の情報交換の重要性を強調。「今日は各学部の先生が大勢参加しています。どうぞ忌憚のない意見交換をしていただき、有意義な会にしていただけるよう、願っています」と挨拶されました。

〈理科大の将来展望等について〉
◆安定した財政状況のもと
 教育環境の整備は現在も進行中

 こうよう会特別会員でもある池北雅彦理事(理工学部応用生物科学科教授)が、大学を取り巻く環境を概説。「現在、18歳人口が120万人を割っている一方で、大学は800校を超えていると言われ、定員割れを起こす大学・学部が出てきています。しかし、本学は今春も志願者が約5万1,000名を超え、財政的にも安定しています。外部資金の獲得にも力を入れており、その額は過去7年間で倍増しています」。
 また、教育環境の整備についても触れられ、各キャンパスの整備状況と今後の予定を写真とともに紹介。来春開設され、7学科7専攻の学生が過ごすことになる葛飾キャンパスは、葛飾区が所有する公園と一体利用され、非常にオープンなスペースになるとの説明でした。

〈就職状況&学園生活について〉
◆現場の解説に加え、就職活動での
 家族のサポートや注意すべき点にも言及

 公務員や教員を含めた就職状況と支援体制、大学院進学を中心に、進路と学生生活について説明。就職活動については、ご父母の学生時代よりも活動が早期化するなど、就職環境が違うことを認識するとともに、親の価値観を押しつけないことが注意点として挙げられました。また、「思うような結果が得られないからもう1年、就職活動をすればいい」という問題の先送りはマイナス効果になることも指摘。ご父母には愚痴を聞いてあげるだけでも気持ちが楽になることや、交通費もかなりかかるので経済的負担への配慮をお願いしたいと結ばれました。

〈分科会〉
◆学部ごとの出席者が少なく
 ゆっくりと話ができた個別面談

 分科会は、学部ごとの修学履修懇談会と就職懇談会、学生生活懇談会を実施。修学履修はそれぞれの学部の教員が、就職と学生生活は職員が担当し、個別面談形式で進められました。2年生以上は前年度の成績表を前に、ご父母はそれをどう評価すべきか教員から説明を受け、気になる点を質問されていました。
 また、親元を離れて暮らしているため、お子さまの様子が把握しにくいことから、教員との面談後、学生生活懇談会に立ち寄られるご父母や、就職について熱心に相談されるご父母の姿がみられました。石川県支部は出席人数が少ない分、相談時間はたっぷりとあり、この機会に聞けることは何でも聞こうと、じっくりお話しされていました。

◆面談を終えた後は、待合室で
 ご父母同士が情報を交換

 今回、石川県支部でも待合室が1部屋、設けられました。個別面談を待つ間は緊張気味だったご父母も、先生と話をして不安を解消されたことで、待合室では用意されたコーヒーを手に、他のご父母と世間話を楽しんでいらっしゃいました。

〈懇親会〉
◆ご父母と教職員、地元の卒業生が
 なごやかな雰囲気の中、立食形式で歓談

 懇親会には、理窓会(東京理科大学同窓会組織)石川支部の役員も出席。地元の企業経営者や教員である卒業生の方々の挨拶をいただいた後、歓談がスタート。ここからは先生とご父母という関係を超え、社会人同士としてさまざまな話題で話に花が咲き、楽しい親睦のひとときを過ごされていました。