平成26年度 支部総会・父母懇談会(千葉県支部・山形県支部)
《1.千葉県支部編》
これまで2年連続で七夕の日に開催されていた、千葉県支部の支部総会・父母懇談会。今年は少し早い6月28日(土)、東京ベイ幕張ホールで開催されました。ときおり激しい雨が降る、あいにくの天候ではありましたが、千葉県支部としては過去最高の約250組350名のご父母が参加。先生方にお子さまの成績のことや学生生活など、気になることをじっくりと相談されていました。また、個別面談の合間には、休憩コーナーで父母同士で情報交換し、交流を深めていました。
〈支部総会〉
◆資料を示しながら、昨年度の活動報告と
今年度の活動計画と予算案を審議
支部総会は、稲荷山忠支部長(平成25年度)と、こうよう会本部から出席の矢島尊会長の挨拶から始まりました。矢島尊会長は、設立11年目を迎えた会の目的などをあらためて説明するとともに、12月に葛飾キャンパスにて、こうよう会10周年記念行事を開催することを案内されました。
議案の審議は、受付でそれぞれに配付された資料をスクリーンに示しながら進められました。平成25 年度の活動報告では、各行事参加者数の推移などとともに、具体的な活動内容が説明されました。出席者からは会場費について質問が出たのみで、拍手で報告どおり承認。続く平成26年度活動計画(案)・予算(案)、平成26年度役員選出も承認されました。
〈学長挨拶〉
◆卒業生に対する社会からの評価を
さらに高いものにすることを約束
「東京理科大学は現在、"日本の理科大から、世界の理科大へ" という方針で取り組んでいます」。その一環として国際会議に出席中の藤嶋昭学長に代わり、森口泰孝副学長が大学を代表して挨拶されました。
森口先生は、文部科学省の事務次官を退官(2013年7月)後、2014年1月、副学長に就任されました。「どの省庁でも、事務次官は法律や経済学を学んだ文系の人が多いのですが、私自身は理工系で、工学部で機械工学を学びました。ですから、東京理科大学に非常に共感を持っています」と、自己紹介された森口先生。「理科大は学生が非常によく勉強することで有名で、文部科学省時代から民間企業の方々といろいろお話しする機会がありましたが、東京理科大学の卒業生は非常に優秀だという評価を数多く耳にしています。この評価をさらに上げるべく、頑張っ
ていきたいと思っています」と述べられました。
そして、大学の理念や実力主義に触れた後、「この場を通じて、大学とご父母の情報交換を積極的に進めていきたい」と話され、「各学部から先生方が出席していますので、何なりとご質問いただければと思います」と締めくくられました。
〈理科大の将来展望等について〉
◆日本で最大の理工系大学を
"世界の理科大"にすることをめざす
学校法人を代表して登壇された中根滋理事長。「これだけ多くのご父母にお集まりいただいたのは、皆さまのお子さまへの深い愛情からなのだと、この胸にしっかり受け止めています。先生方と一緒に、お子さまの将来を素晴らしいものにするべく、教育・研究を一生懸命に進めていこうと思います」と力強く語り始められました。
「東京理科大学は、日本で一番大きなサイエンスの大学になりました。日本で一番大きくなったら、21世紀、学生をどこに導こうかと考え、"世界の理科大" となりました」。その目標達成への思いを「めざせ エベレスト!」という合言葉で伝える中根理事長は、「山に登るには周到な計画が必要」だとして、大学の組織・機構を整え、「優秀な先生たちが学生たちを将来、絶対にエベレストに登らせてみせるとの気持ちで教育・研究に取り組んでいます」と、大学のビジョンを熱く語られました。
〈就職状況&学生生活について〉
◆就職活動のスケジュール変更や
内定に結びつかない要因などを説明
新卒採用の状況は大幅な改善が見込まれていますが、これは従業員数300人未満の中小企業の求人が増えているためで、大企業の求人数は変わらず、依然として就職状況は厳しいのが現実です。全体会では、具体的なデータを示しながら、昨今の就職環境や進路状況が説明されました。今回、特に留意したい点として、就職活動のスケジュールの変更により、学業との両立がよりいっそう難しくなることが指摘されました。また、内定に結びつかない要因と、そのための対策やご父母が注意すべきことなども紹介されました。
〈分科会〉
◆成績や進路、学生生活について
先生方と個別にじっくり相談
全体会終了後、休憩をはさみ、分科会が行われました。2年次以上のご父母は、ほとんどが学部別に行われる就学履修懇談会で、当日配付された成績表を手に、先生方との個別面談に参加。また、学生生活懇談会や就職懇談会に場所を移して、学生支援課などの職員と個別面談を受けるご父母も少なくありませんでした。
◆1年生のご父母を対象に
大学が行う教育改善の内容を説明
一方、新入生のご父母は全体会の会場に残り、教育開発センター長の山本誠先生(教育、入試、自己点検・評価担当副学長、工学部第一部機械工学科教授)による説明を受けました。
現在、高校卒業者の大学進学率が50%を超え、大学全入時代を迎えています。そうなると、学習意欲の乏しい学生が増え、大学卒業者の実力がどんどん低下します。こうした状況下、大学でどのような力をつけることが学生に求められているのか、東京理科大学がこれに対してどのような教育改善を行っているのかなどを紹介。また、教育開発センターが毎年実施している学力追跡調査の結果、1年次終了時点の成績と卒業時の成績に相関関係があり、1年次の学習が大切なことが解説されました。
〈懇親会〉
◆なごやかな雰囲気のなか
理事長や先生方とご父母が笑顔で歓談
今年は、こうよう会設立10周年記念ということで、中根理事長、森口副学長、矢島こうよう会会長らが登壇し、鏡開きが行われました。お酒が入ってリラックスした雰囲気になると話がはずむようで、各テーブルとも先生方とご父母が笑顔で楽しく話をされていました。また、中根理事長は、各テーブルを回って積極的にご父母と交流されていました。
《2.山形県支部編》
今年の7月は、台風8号の影響で梅雨前線が刺激され、日本各地で大雨による被害が発生しました。7月13日(日)、山形県支部の支部総会・父母懇談会が、山形駅からほど近い山形国際ホテルで開催されました。この日も雨が降ったりやんだりのあいにくの天気となりましたが、遠く離れて暮らすお子さまの様子を知りたいと、例年より多い50名近くのご父母が参加。先生方や他のご父母と情報交換され、有意義なひとときを過ごされていました。
〈支部総会〉
◆理窓会と共催の「講演会」など
今年度の支部活動計画と予算案を承認
小林亮支部長の挨拶に続いて、来賓のこうよう会本部の千葉正宏副会長(北海道・東北地区)が登壇され、こうよう会の歩みや目的に言及。また、今年度、北海道で本部主催行事が開催されること、地区行事として5県支部(岩手・宮城・秋田・山形・福島)合同で研修会を開催する計画が進んでいることが報告されました。
挨拶のあと、平成25年度の事業報告と決算報告、平成26年度の事業計画(案)と予算(案)を審議。今年度は支部行事として、11月23日(日・祝)、山形国際ホテルで藤嶋昭学長の「講演会」を理窓会(同窓会組織)と共催することが報告され、参加が呼びかけられました。
最後に、小林亮支部長が留任する新役員体制が承認され、千葉副会長から支部長委嘱状が渡されました。
〈学部長挨拶〉
◆子どもたちを真にサポートするには
大学とご父母の連携が大切と挨拶
全体会の開始にあたり、大学ではビジネスカジュアルが実施されている旨の案内がありました。小林亮支部長は「クールビスを推奨されていますが、私は挨拶をするので、こうしてネクタイを締めています」と挨拶。これを受けて、目黒多加志先生(理学部第二部学部長)は、「すみません。私は今日、ネクタイをしておりません」と話し始められました。この愉快なやりとりにご父母から笑いが漏れ、会場の雰囲気は一瞬のうちに和らぎました。
目黒先生は、東日本大震災の被災学生支援として、昨年に引き続いてこうよう会から寄付をいただいたことに謝辞を述べられた後、大学の教育目標について話されました。そして、「親元から離れて生活していると、なかなか情報が入ってこなくて心配だと思います。学生はこれから就職、大学院進学と、一生を決めるような選択をしていきます。そのような決断の時には、周囲のサポートが非常に重要です。大学でも例年以上に学生のサポートを強化しておりますが、それとともに、大学とご父母の皆さまとの情報交換を行っていきたい」と述べ、有意義な懇談会になるように祈念されました。
〈理科大の将来展望等について〉
◆6か年の中長期計画を立て
"世界の理科大" をめざす姿勢を示す
学校法人東京理科大学を代表して、赤上好理事が登壇。大学の将来展望の前に、まず「先ごろの集中豪雨では、南陽市を中心に大変な被害があったと承っています」と、被災された方に心よりお見舞いを申し上げられました。
この日、受付では参加者に、「めざせ エベレスト!」という理科大ビジョン2014を記したパンフレットが配付されました。その冊子にあるように「"日本の理科大から、世界の理科大へ" を旗印にし、6か年の中長期計画を立てた」との赤上理事の説明に続き、中根滋理事長がビジョンを語る12分間のビデオを上映。映像終了後、赤上理事は、「理事会として、お子さまのことを第一に考えて、これからも鋭意努力してまいります」と力強く約束されました。
〈就職状況&学生生活について〉
◆データを示しながら、昨今の就職状況や
就職活動スケジュール、注意すべき点などを解説
マスコミなどで毎年、各大学の就職率(大学院進学を除いた卒業者に占める就職者の割合)が発表されます。東京理科大学は、修士課程・昼間学部とも全国平均を10ポイント以上、上回っています。こうした現状を表やグラフを示しながら概観するとともに、現在の学部3 年生と修士課程1 年生から変更になる就職活動スケジュールが説明されました。しかし、早い時期から選考がスタートする企業もあり、就職活動が3年次の10月から4年次の8月まで長期化したり、選考時期が重なった場合、企業か公務員かの選択を迫られる可能性もあるなど、注意すべき点が概説されました。
〈分科会〉
◆1年生のご父母に、大学が取り組んでいる
教育改善活動や学生のための講座を紹介
分科会は、学部ごとの就学履修懇談会のほか、就職懇談会と学生生活懇談会が実施されました。また、1年生のご父母を対象にした説明会も行われました。そこでは、「大学教育への社会的要請」「本学の教育理念・目標」「本学のFD活動」「よりよい大学生活を送るために」の4項目が取り上げられました。FD活動は教育開発センターを中心とした教育の改善活動で、シラバスの整備や入学後の学力追跡調査、学習相談室の設置、ロジカルライティング講座の開催などが行われていることが紹介されました。
◆先生方との個別面談を終えた後は
休憩室でご父母同士が情報交換
学部ごとの就学履修懇談会では、先生方と個別面談を行いました。成績表の見方や大学院への進学など、ご父母は気になることを率直に相談。先生方から詳しい説明を受け、どの会員も、面談終了時はホッとした顔をされていました。今回、会場には和室の休憩室が設けられました。面談を終えたご父母は、懇親会が始まるまでの時間を休憩室で輪になって情報交換されていました。遠く離れて暮らすお子さまのことが気になるのは、どのご父母も同じです。同じ県内ということで、学生のこと以外でも話題は尽きない様子でした。
〈懇親会〉
◆先生方とご父母、地元で活躍する卒業生が
さまざまな話題で話に花を咲かせた
懇親会は、先生方やご父母のほかに、理窓会山形支部の役員も出席されました。小林支部長の「先生方と気軽に話をしてください」との挨拶で始まった懇親会では、赤上理事、目黒先生、千葉副会長ら5名によって、こうよう会設立10周年記念の鏡開きが行われました。
会場はとてもリラックスした雰囲気で、山形名物の芋煮などの料理とアルコール類を手に、約1時間半、ご父母と先生方が楽しく交流されていました。