【支部活動報告】東京都支部「講演会と図書館棟見学」
◆2024年度 支部活動報告
【ご報告】 2024年11月9日(土) 東京都支部「講演会と図書館棟見学」を開催しました。
〇開催日 2024年11月9日 (土)
〇開催場所 東京理科大学 葛飾キャンパス/図書館
〇参加人数 ご父母 66名( 48世帯 )【対象:当該支部の正会員と賛助会員】
本学学生 2名
大学教員 1名
講演者の関係者 10名
その他(こうよう会東京都支部役員) 14名
<ご報告>
美しい葛飾キャンパスがどのように設計されたのか?
日本図書館協会建築賞と東京建築賞優秀賞のダブル受賞の図書館棟をメインに、計画から竣工までのお話を設計者である岩崎教授(現東海大学建築都市学部建築学科教授)に伺い、キャンパスモールと呼ばれる図書館棟までのメインストリートと図書館棟3階の大ホールにつながるホワイエ、そして普段は入ることのできない図書館内を見学するツアーを開催いたしました。
はじめに岩崎教授の経歴と数々の受賞歴をご紹介し、岩崎教授からは日建設計在籍時に手掛けた多くの大学の紹介、また現在どのような研究をされているかのお話がありました。
続いて葛飾キャンパスの設計について、土地の特性(葛飾区と理科大が一体となって整備し相互利用されている)や人の流れを遮らない工夫・また校舎ごとの用途に応じた窓の規格などのご説明があり、いよいよ話題は他に類を見ない特徴を有する図書館棟へ。設計にまつわる裏話、苦労話や見どころを紹介くださいました。
図書館棟はほぼ設計が決定していた中で「パリのオペラ座みたいにしてほしい」との要望があり、曲面を多面体でデザインすることで解決。現在のデザインに落ち着いたそうです。
また図書館とホールの上下階でお互いのアクティビティを感じ取ることができ、建物に一体感が生まれるよう吹き抜けをガラスにして可視化したとのことでした。
岩崎教授のお話は非常にわかりやすく、建築知識のない人でも興味深く新たな知識を与えてくださる内容でした。
【葛飾キャンパスの設計を手掛け、数多の受賞歴を誇る岩崎教授】 |
質疑応答では多くの方が挙手をされました。いくつかご紹介します。
Q1:もっとこうすればよかったと思うことは?
A1:クライアントごとに設計は変わるので[want・can・must]をバランスよく設計することが大切。そういった面では葛飾キャンパスは満足のいく設計でした。
Q2:設計について苦労されたことは?
A2:大規模なプロジェクトで各棟を同時進行で設計を行いました。そのため、全体性と個別性のバランスをとることに工夫をしました。キャンパスの外観はコンクリートとレンガが共通の素材とすることで全体の統一感を作ることや、各棟で先行させるプロセス(階段やトイレの詳細なデザイン等)を決めて共通ルールを作り各棟に展開しました。また、外観は建物機能に合わせて個別の顔を作り変化をつけています。
Q3:図書館の天井(ホール外側)の素材について
A3:アルミのキャストと呼ばれるものを使用しています。(アルミを一度溶かして和紙をかたどり塗装を拭き取ったもの)
【特に建築を学んでいる学生の方々の熱心で芯をついた質問に岩崎教授も丁寧にお応えされました。】 |
後半の図書館棟見学では、教授のお話を聞いたことで新たな視点でキャンパスモールとメインの図書館棟を見学することができ、ホールホワイエではあちこちから感嘆の声があがっていました。
講演後に実施したアンケートでは多くの方からご好評をいただき、葛飾キャンパスの環境に感謝される保護者やキャンパスが大好きになったと回答された学生もいらっしゃいました。
これからも多くの学生や地域の方々に愛されるキャンパスであるよう、機会があれば再開催を行いたいと思います。
【葛飾キャンパスの中心となる図書館棟の前で】 |
【岩崎教授お勧めの公園側から見た図書館棟の景観 館内に照明が灯る夕刻には水辺に浮いたように見える】 |
今回の講演会ならびに図書館ツアーにご協力いただきました大学関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
≪会員へのメッセージ≫
今回参加された皆様には、図書館内での見学ルール厳守にご協力いただきありがとうございました。ご子女の通う大学をもっと知ってもらいたい、好きになってもらいたい。そんな気持ちで毎回の行事を企画しております。
今後もご父母の皆様に喜んでもらえる行事を行っていきたいと支部役員一同考えておりますので、ご参加をお待ちしております。