【支部活動報告】広島県支部「講演会」
◆平成27年度 支部活動報告
【ご報告】10/31(土)広島県支部「講演会」を開催しました。
○開催日 平成27年10月31日(土)
○開催場所 メルパルク広島(広島市)
○参加人数
正会員・賛助会員 28名(25世帯)
大学教員 1名
理窓会(同窓会) 2名
○内 容
(1)講演会 14:00~15:30
*講 師 東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 大谷直子 教授
*テーマ 「発がんのしくみを探り予防法の開発を目指す」
~老化とがん、肥満とがんに着目して~
(2)茶話会 15:40~16:00
○報 告
(1)講演会
「老化・肥満とがん」について難解な研究内容を素人にもわかりやすく解説していただき、昔から良いとされている、腹八分目の食事、トマトや一部ヨーグルトの摂取、有酸素運動等、経験則を学術的な裏付けで効果を示されました。
日本は長寿国であり、2013年の統計では、女性が86.6歳、男性が80.2歳となっています。その原因として栄養状態の改善や医療の発達などがありますが、がんについては3人に一人ががんで死亡し、早期発見により二人に一人の割合でがんと診断されています。
高齢化あるいは肥満になるとがんになりやすいのか?細胞が分裂する際に、紫外線、放射線、たばこ、大気汚染などの外的要因で活性酸素が増えて、DNAを損傷することがあります。その結果、細胞死や細胞死に至る前の状態、不可逆的増殖停止が起こります。私たちの体ではDNAの傷が修復酵素によって増えないような仕組みがありますが、修復を超える状態になりますとがん細胞化の危険性が高まるため、安全装置として不可逆的細胞増加停止状態すなわち細胞老化へと誘導されます。細胞老化のはじめはがん抑制に働きますが、時間が経つと有害物質が発生してがん促進へと変わるという2面性があります。そこでその有害物質をコントロールすることで健康で長寿を全うすることが可能となり、その具体例についても示されました。
(2)質疑応答・茶話会
身近ながんについて関心が高く、具体的な症例についての質問も混じり和気藹々とした雰囲気で茶菓をいただきました。講師は医師でありながら医学部のない東京理科大学でなぜ研究・教育をしているのかとの質問に、専門の分子生物学は医師や医学部でなくても学際を超えた研究協力体制が東京理科大学では備わっており、現在、理工学研究科で検討中の、学科横断的コース(医理工連携コースなど5コース)と(3+3)6年制などの構想について紹介されました。
≪会員へのメッセージ≫
広島県支部は春と秋の年2回会合を開いて、大学への理解とご父母の研鑽、および相互の親睦を深めることを目的としています。この度の講演会では講師から、東京理科大学の研究・教育の実態を紹介され、地方から多くの学生が入学を目指して頑張って欲しいと要望されました。次年度の会合には積極的にご参加くださることを望んでいます。